2004531

国際文化4年 屋比久美樹

卒業研究テーマ(案):

  「日本における難民受け入れ体制の現状と課題」

 

○「難民」とは・・・

  「人種、宗教、国籍、政治的意見やまたは特定の社会集団に属するなどの理由で、自国にいると迫害を受けるかあるいは迫害を受ける恐れがあるために他国に逃れた」人々と定義されている。 (「難民の地位に関する条約」より)

今日、難民とは、政治的な迫害のほか、武力紛争や人権侵害などを逃れるために国境を越えて他国に庇護を求めた人々を指すようになっている。
 また、紛争などによって住み慣れた家を追われたが、国内にとどまっているかあるいは国境を越えずに避難生活を送っている「国内避難民」や「紛争被災民」も近年増加している。このような人々も、難民と同様に外部からの援助なしには生活できない。適切な援助が実施できなかった場合、これらの人々は国境を越えて難民となり、結局、受け入れ国の政府や国際社会は、より重い負担を強いられることになってしまう。

 

○各国の難民認定数(2001年)

  日本・・・26(7%)

  イギリス・・・19,100(11%)

  ドイツ・・・22,720(29%)

  アメリカ・・・23,300(43%)

  カナダ・・・13,340(58%)

  ニュージーランド・・・467(18%)

  スウェーデン・・・6,900(37%)

    (アムネスティ・インターナショナル日本ホームページより)

 

○難民認定制度の流れ

@難民申請者が、法務大臣に難民申請を行う。
A難民調査官(注1)が、申請者に数回インタビューをする。
B法務省難民認定室が、インタビューと各方面から集められた情報をもとに調査結果をまとめる。
C上記の調査結果をもとに、法務大臣が認否の判断を下す。

注1)東京と大阪に専従職員として配置されており、任期は約2年

 

※不認定になった場合
申請者は異議申し立てを行うことが出来る。(流れは以下の通り)
@法務省審判課で調査
A法務大臣が判断を下す
異議が却下された場合は、国外退去強制、第三国への出国、行政訴訟提起となる。

 

○日本の難民認定制度における問題点
日本の難民認定手続に対しては、以下のような問題点が指摘されている。
 1. 60日ルールの形式的な適用
 2. 認定過程の不透明性
 3. 異議申出機関による審査の実効性
 4. 難民申請者の処遇
 5. 難民申請者の収容

 

○出入国管理法及び難民認定法改正案

 2003年1月27日のアムネスティ・インターナショナル日本の発表によると、出入国管理法および難民認定法改正案の提出が予定されている。その後、この改正案が実際提出されたのか、そして採択されたのかについては不明。

 改正案のポイント:

@     難民申請の期間を60日以内から6ヶ月以内とする。

A     申請中は条件付きで難民申請者に“仮滞在”許可を与える。

 

○難民認定に要する時間

 ・早い人で20日、遅い人で約6年という事例がある。

 ・平均すると約1年半から2年間

 

○難民認定手続き

 ・「難民」または「難民認定申請者」という在留資格があるわけではない。

 ・「難民」として認められたからといって在留が許可されるわけではない。

 

 

<参考サイト>

 アムネスティ・インターナショナル日本

 UNHCR Japan

 入国管理局ホームページ